健康診断

健康診断の過去と現在

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戦後の高度成長期の時代、寝る間も惜しんで働くサラリーマンにとって健康診断は二の次という感覚が、一般的だった時期がありました。多忙な業務に追われる中で大病以外の不調による休暇などは認められず、そのような申請を挙げようものならばすぐに上司に呼び出され、自分の役職に悪影響を及ぼす事態になりかねません。

現代の社会ではあまり考えられないような働き方をかつての日本人は行っていました。時が流れ、激動の昭和を終えて平成を迎えた頃、バブルがはじけて日本の経済は長い低迷期に入りました。日本人の猛烈な働き方は、たしかに成長に貢献しましたが一方で大きな歪みを生むことになります。

時代は個性を重視したゆとり世代の教育なども影響し、会社に束縛されない自由な働き方というのが理想とされるよう変化していったのです。その流れの中でかつての働き方の感覚を持ったままの上層部が、若い社員に過度の残業を押し付け、過労死や自殺に追い込んでしまうという報道が世間を騒がせることになりました。これは決して昔の人に比べて今の日本人が軟弱になったわけではありません。戦後の復興という明確な目標を掲げていた時代と、その労働に見合う対価がきちんと支払われていた高度成長期とは環境そのものが違うのです。

こうして会社で働く人たちの健康状態というのは厳しくチェックされるようになりました。健康診断をおろそかにするような企業は、むしろイメージダウンとなり、取引や利益にも影響してきます。そこで社員たちの細かな健康状態をチェックするためにBPOのシステムが導入されました。これは会社が管理できない分を外部に一任することで、健康チェックの精度とクオリティを高めながら、コストも抑えることが可能になるという、アウトソーシング方式です。BPOにより、社員は自分の症状を会社の顔色を気にすることなく、相談できるというメリットも生まれました。健康に異常がある社員を無理矢理働かせているという事実が、第三者の目によって明らかになりますので、会社も最善の注意を払い、働き方を改善していくことになるというわけです。